仕事で忙しいのだけれど、付き合っている人(通称:もっちー)がうちに来た。わたしは家でも仕事をしているのでPCに向かっていて、その間もっちーはずーっとうちにあったマンガを読んでいた。(らしい)

その後何日かしてもっちーと夕飯を食べていたときに
「話したいことがあるんだけど」
といわれた。
別になにも深刻な話をする覚えもないので
「なに?」
と普通に聞き返した。
「あのね。この前クロムちゃんの家で、『男樹』っていうマンガを読んだんだけど」
「あー『男樹』読んだんだー」
「うん、でね。内容に一個も共感できなかったんだけど・・・・」

爆笑。

もっちー、『男樹』はサラリーマンのためのヤクザ・ファンタジーで、共感するマンガじゃないよ・・・。

簡単に説明すると(ネタバレ?)、『男樹』というのは本宮ひろ志先生の描いたヤクザマンガで。村田京介という主人公が、男を貫き通して一代でヤクザとしての生を全うするという話です。出自にも恵まれていて(父方は北陸村田組の組長。母方は電力会社の令嬢。ただし、内縁の妻でしかも駆け落ち)、でもそれとは関係なく自分のオトコとしての生き方を追求しようとした結果、すべてのものが彼についてくるという、そんな話。彼は最終的には北陸村田組を率いて、自分の信念を貫きとおし、手下を引き連れて松山伊達組に乗り込みをかけるわけなんだけれども。

もっちーは、今企業の中で部下を率いている立場にいて、自分の信念を貫いて部下に犠牲を強いるという考え方(いや、主人公・村田京介もそれを強要しているわけじゃないんだけども)に激しく抵抗したみたい。あと、主人公についていく女性たち(どの女性も自分の人生を犠牲にしてひとりの男に賭けるという物語)にも納得できなかったらしい。

はー、なるほどなぁと思った。

『男樹』というのは現代のファンタジーで、ひとつのことを貫き通すことの難しさ、生き難さを痛感している人が読むと「いいね!オトコだね!」って思うんだろうけど、現在進行形で本気で信念をつらぬき通そうとしている人には、効かないクスリなんだね。

もっちーは本当にまじめで不器用で、マンガも真剣に読むから、現実逃避も出来ないんだと思って、なんだか気の毒のような、笑ってしまうような気持ちになりました。

※レビューのは、その息子の物語「京太郎編」です。

ISBN:4088780027 コミック 本宮 ひろ志 集英社 ?530

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