夏化粧

2006年9月18日 読書
読了。

最近読みやすい本ばかり読んでいたので、池上さんの独特の文体に慣れるまで時間がかかったけど、引き込まれてからはグングン読みすすんであっという間だった。
映像が目に浮かぶようで楽しかった。優秀なエンターテイメントだと思う。

生きていくうえでは、いろんな選択をしなければならない局面があって、でもなにかを選ぶということは何かを捨て去ることにほかならないので出来ればやり過ごしたいんだけれど、そう出来ない場面が突きつけられる。
選んだ答えが正解なのかどうか誰にもわからないし、でも無数にあるように思える選択肢というのも実はうそで、絶望的なまでに道は常にひとつしかないのだ。
「ああ、出来ることなら止めてあげたい!それは間違いなのに!」って思うけど、ひとつしか選べないというか、はじめからひとつしか選んだ当人には存在しなかったかもしれないのだ。

人は愚かであろうと無知であろうと、そのときの自分にとって最良と思える選択をするわけで、そのことをどうこう言えない。

・・・・・・・・・・・・・・抽象的だけど、そんなことを思い出すお話でした。

ISBN:4167615037 文庫 池上 永一 文藝春秋 2006/06 ¥690

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