リンクのぱでぃさんが紹介していた、ジャン・リュック・○ンシーの本が面白そうだった。
わたしもその気になれば学生時代に哲学を勉強する機会っていっぱいあったと思うんだけど、頭が悪いからかさっぱりわからなくてそのままきてしまった。ヴィトゲ○シュタインとか(デ○ク・ジャーマンの映画はよかった)、メ○ロ・ポンティとか、ハ○デガーとか。テキストを追うことは出来ても到底理解は出来なかった。ジャン・○ュック・ナンシーも名前は聞いたことある程度だ。

でも。
うちの会社には、なぜか哲学科出身の人たちがやたら多い。一般企業としてそれはかなり変わっているとは思うんだけど、多い。
スイス君もそうだし、上司のP田さんも哲学科だ。

「物事は調べる前に知っている人に聞け」

もののためしに、スイス君に声をかけてみた。
それが運の尽きだった。

「ジャン・リュック・ナ○シーって、どうですか」
「へ?クロムちゃん、興味があるの?」
「いや、友人が読んでいたのが面白そうだったんですけど」
「うーん、ちょっと待ってて。1冊くらい持ってるかも」

机やら本棚やらを探すと、ナンシーの本が出てきた。
会社のデスクに哲学書を入れとくなよ・・・・。

「よかったら、貸してあげるよ」
「ありがとうございます。でも、これわたしが読んで理解できますか?」
「う〜ん。理解する・・・というより、詩みたいなもんだと思って読むなら、いいんじゃない?」

そこに上司のP田さん登場。

「うわ!ナンシーだ!クロムちゃん、なにやってんの?」
「いやぁ、ちょっと興味があって」
「そうかー。クロムちゃんもジャン・リュック・○ンシーとか読むのかぁ」
「わたしには難しいですかね?」
「そんなことないと思うよ」
「今、スイスさんに『詩だと思って読めば』って言われたんですけど」
「ああ、そうかもしんない」

そして、そこからが大変だった。
スイス君とP田さんはふたりで哲学論議を始めてしまった!
現代哲学の知の最前線とかそーゆうまったくついていけない話題の間に入ってしまったわたし。
やりかけの仕事にもどりたいと思いながらも、ぽかーんと口をあけてみているしかなかった。

・・・・あの、そろそろ仕事にもどっていいですか?

「スイス君の恩師の○○さんは、どうなの?」
「あー、あの人はだめですよ」

・・・・あのー、そろそろ仕事にもどっていいですか?

結局仕事は翌日持ち越し。
本を一冊借りるのも大変。

でも、知らない言語の洪水に巻き込まれるのもなんだか楽しかった。

コメント

ぱでぃ
ぱでぃ
2006年6月4日1:32

クロムさま
お仕事毎日お疲れ様です。
しかし哲学科率がそんなに高いとは!
す、すごい職場ですね…。
ちなみにぼくはナンシー、フレーズを愛でてるだけで、
本質はたぶん理解できてないと思うのですが、
でも哲学書って何しろフレーズが美しいですよね!
「言語の限界は世界の限界である」とか
「語りえぬものについては沈黙するしかない」とか。
あと、読んだことないんですが、言葉の響きとして
「メルロ・ポンティ」って何だかおいしそうですよね・・・。

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