色つきの

2006年1月27日
送別会してもらった。
せっかくの好意なので甘えつつも「できるだけ、こじんまりと」と幹事の子にお願いしていたんだけれど、蓋を開けたら「うちの会社で社内行事以外でこんなにたくさんの人が集まるのは珍しい」という大規模なものになっていた。
実は目立ちたがり屋だと思うんだけど、でもタチが悪いことに恥ずかしがり屋なので、もお穴があったら入りたいような気分。
「主役なんだから、真ん中に座りなよー」とか言われても、いえいえわたくしは下座で結構でございます、と後ずさり気味。
「こじんまりって言ったじゃん!」と幹事に耳打ちしたら「そのつもりだったんですけど、うわさを聞いた他部署の人たちから『呼ばれてないんですけど』ってせっつかれたんですー」だって。
取引先さんも、すでに辞めた元同僚も来てくれていた。

「今までお疲れ様でした」
「大変だったね。なにも出来なくてごめんね」
「同じ業界なんだから、またいつか一緒に仕事しよう」
といろんな人から口々に言ってもらって、ああもしかして泣いてもいいのかもしれないと、一瞬涙腺がうるみそうになった。

わたしには、もったいないと思った。
なんにも出来なかった、とは思わないけれど、もっと出来たはずなのに、しなかった。異動後の自分の立場を受け入れられず、いろんな人にフォローしてもらってばかりだったのに。

こんなにいい人たちに囲まれて、どうして会社を辞めようなんて思ったんだろうと、後悔しそうになった。

去っていくものはいつだってキレイ。

手の中に残ったものを数えて暮らすほど年をとっていないから、と10代の頃から振り向かずにやってきた。
日々の生活に色を与えるのは、過ぎ去ったセピア色の思い出ではなく、先に広がる未来であるべきだとおもってた。
でも、ひそかにキレイなもの収集家のわたしにとって、この瞬間はやっぱり手の中に残したい宝物になってしまうんだろうなぁ。そしてそれは色あせることなく、むしろ現在のちょっぴりの不幸(おそらくは明日に向けて「負けるもんか」って思うための不幸)に彩色されて人工的な輝きを放つ。

ちょっと読んでいる本の影響でどうにもこうにもポエムな心境。
BGMは、タイガースの「色つきの女でいてくれ」(だっけ?)を希望。

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