死に至る病

2005年5月28日 読書
若い頃に亡くなった親友の家族といまだに細々と交流を続けている。
そのお父さんが、癌が脊髄に転移して余命は1ヶ月との連絡を受けた。年明けに見舞ったときは元気だったのに、ひさびさに見舞ったらすっかり病人になっていた。相変わらず軽口をたたいてはいるが、もう下半身の感覚がないそうだ。
「もう早く迎えが来て欲しい」とかいうので、「いやーまだまだ私の孫どころか結婚式もしてないですよ」といったら笑っていた。
お母さんが「若い子の手を握ると元気になるから」といわれて、ずっと手を握ったりマッサージしたりしていたらそのまま眠ってしまった。

親友が死んだ後も家にお邪魔しては、趣味の釣りでつった魚を天ぷらにするからと家に呼ばれたりしたものだった。
親友が死んで以来、「死」というものにひどく神経質で、それでいて鈍感だったような気がする。

薄情だと思われるだろうから書きたくないけど想像していたほどショックではない。
向こうでおそらく親友に会えるのだと思う。
「季節の中で」という映画で、小さな男の子がおばあちゃんに「天国ってどんなところ?」と聞くとおばあちゃんが「そうねぇ。ここと同じようなところよ」と答えたように。

どうかお父さんがあまり苦しみませんように。
そして残されるお母さんに、わたしができることをできますように。
ISBN:459107904X 単行本 奥山 貴宏 ポプラ社 2003/11 ¥1,523

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